4.インド・東南アジア史(I.インド史)
3.イギリスのインド進出

ヨーロッパの進出は各国毎におさえ、特にイギリスがインドを支配していく過程を押さえよう。(下ではイギリスの動きを赤、イギリス以外のヨーロッパ勢力を青、インド側の動きを緑で表記)

(1)ヨーロッパ勢力の進出
 a.ポルトガル
  ・
ヴァスコ=ダ=ガマカリカット来訪(1498)
  ・
ゴアを建設(1510、アルブケルケ)
 b.イギリス
  ・
イギリス東インド会社(1600)
  ・
マドラス(1639)、ボンベイ(61)、カルカッタ(90)
 c.フランス
  ・
東インド会社(1604、64コルベールにより再建)
  ・
ポンディシェリー(74)、シャンデルナゴル(88)
 インドへのヨーロッパ勢力の進出は、1498年のポルトガル人ヴァスコ=ダ=ガマカリカットに来訪したときから始まりました。ポルトガルは1510年にアルブケルケがゴアを建設して、ここをアジア貿易の拠点にしました。17世紀にはアンボイナ事件でモルッカ諸島から撤退したイギリス東インド会社が進出して、マドラスボンベイカルカッタなどの拠点を建設し、イギリスに少し遅れて、17世紀後半にフランスも進出して、ポンディシェリーシャンデルナゴルの拠点を建設しました。

(2)イギリスのインド進出
  18世紀、ムガール帝国は分裂状態
 a.経過
  
カルナータカ戦争プラッシーの戦いクライブの活躍)
  →
フランスを追い出すベンガルなどの徴税権獲得(1765)
  →
マイソール戦争:南インド
  →
マラータ戦争:デカン高原
  →
シク戦争:北インド
 18世紀にはムガール帝国は分裂状態におちいり、これに乗じてイギリス東インド会社が勢力をのばして、英仏は1744年からのカーナティック戦争でイギリスは南インドを占領しますが、フランスはディプレクスの活躍で巻き返します。しかし、1757年のプラッシーの戦いクライブ率いるイギリス東インド会社軍がフランスとベンガル太守の連合軍を破り、フランスの勢力を駆逐して、1765年にはベンガルなど三州の地租収入権を得て事実上の植民地支配を開始したのです。その後、南インドのマイソール王国を滅ぼし、中部インドのデカン高原のマラータ同盟を打ち破り、北インドで根強い反抗を続けたシク教徒を鎮圧し、1815年にはウィーン議定書でオランダからセイロン島を、1816年にはネパールを戦争によって保護下においた。

(3)インド帝国
 a.イギリスの支配
  ・政治的:東インド会社に統治権、ムガル皇帝は名目のみ
  ・英の徴税法
   北部:
ザミンダール制(地主や領主から税を徴収)
   南部:ライヤットワーリ制(直接農民から税を徴収)
  ・経済的
   インドの綿織物工業などが衰退→英の市場と原料供給地に

 b.セポイの乱
   
セポイ(インド人傭兵)の反乱
   →
ムガル帝国滅亡(1858)、東インド会社解散
 c.
インド帝国(1877)
   
ヴィクトリア女王がインド皇帝を兼ねる
   イギリスの直轄の植民地、
藩王国(内政権認める)

 イギリス本国での自由貿易要求の高まりで1813年に東インド会社の貿易独占権が廃止され、東インド会社はインドの統治機関に要素が強くなりますインド全域を支配下では北部で地主や領主から税を徴収するザミンダール制を、南部で直接農民から税を徴収するライヤットワーリ制を採用するなど強硬な植民地支配を推し進めました。また産業革命の進展により、イギリスから多量の綿織物など工業製品が流入し、インドの伝統的な綿織物(キャラコといいました)工業が急速に衰退して、19世紀なかばにはインドはイギリス市場と原料供給地になってしまったのです。こうしたイギリスの植民地支配からインド人の不満がたかまり、1857年にセポイ達(注1)は反乱を起こし、それがインド全土に波及し、没落したムガル皇帝も反乱側につきました。これがセポイの乱インド大反乱)です。しかし、反乱側に強力な指導者があらわれず、イギリスに鎮圧されて、逆にこれを契機に1858年ムガール皇帝を廃して、ムガール帝国を滅ぼし、また事実上のインド統治機関となっていた東インド会社を解散して、インドはイギリスの直轄の植民地となり、イギリスに好意的な地方政権は藩王国として、内政権を与えられました。さらに1877年にヴィクトリア女王がインド皇帝を兼ね、ここにインド帝国が成立しました。 

(注1):インド人傭兵のセポイが使う銃の火薬の包み紙に豚や牛の脂が使われているという噂(豚はイスラム教徒にとって不浄の生き物で、牛はヒンドゥー教徒にとって神聖な生き物で銃を撃つときに口で薬包を破らなければならないので、不浄・神聖な生き物の油を口にするのは両教徒とも耐えられないことだったので・・・)が広まったのが乱の引き金となったとも言われています。

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