1.先史時代

区分毎でしっかり内容を確認! 猿人から文明が出来るまでの流れを押さえよう。

(1)時代区分
年代

人類学の区分
地質年代 考古学上の時代
400万年前 猿人



洪積世
(更新世)
旧石器


50万年前 原人
20万年前 旧人
4万年前 現世人類
1万年前 (食料生産革命) 沖積世
(完新世)
新石器
   
前4千年 (文明の成立)

青銅器時代

 先史時代とは文字がなく記録が残っていない時代のことをいいます。ですからこの時代のことは発掘などの考古学地質学人類学の領域となります。先史時代には地質年代と考古学と人類学の区分の3種類の時代区分があります。人類学の区分は猿人原人旧人現世人類(新人)という区分です。地質年代とは生物の生存期間に基づいて区分したものでよく地学で習う年代です。たとえば恐竜が生きた時代は中生代のジュラ紀・白亜紀です。人類が出現したのは第4期の洪積世(更新世)の時代で、約一万年前から現在までは沖積世(完新世)となります。この二つの時代の変わり目は洪積世が大氷河時代とも呼ばれるように氷河期から今のような温暖な気候に変化したことでした。考古学上の時代区分は人類が使用していた石器・青銅器・鉄器で区分し、石器には打製石器を使用していた旧石器時代磨製石器を使用していた新石器時代に分かれます。

(2)人類の起源
 a.
サルからヒトへ?ダーウィンの進化論
 b.サルとヒトの違い
  ・
直立二足歩行
  ・
道具を作成(×使用)
  ・文化を持つ

 ダーウィンの進化論によると人間はサルから進化したとされています。ではどうしてサルから進化したのでしょうか? 地殻変動でジャングルが草原に代わり、その環境に適応していったなどいくつもの説がありますが、サルからヒトへの進化の過程をつなぐミッシング・リンクはまだ発掘されていません。
 人類とサルともっとも大きくちがうのはどこでしょうか?直立二足歩行をおこない、道具を作成し使う(使うだけならサルでもします。たとえばあり塚に棒を差し込んでありを捕るとか・・・)、あとは文化を持った点が上げられます。

(3)人類の出現
 a.
猿人(約400万年前):アウストラロピテクス(南の猿人)
   南アフリカ
打製石器(礫石器)を使用
 b.
原人(約50万年前):打製石器(握斧)、採集や狩猟
  ・
ジャワ原人(インドネシア)
  ・
北京原人(中国周口店):ことば
  ・ハイデルベルク人(ドイツ)
 c.
旧人(約20万年前)
  
ネアンデルタール人(ドイツ)、宗教的行為(埋葬
 d.
新人(約4万前)
  石器、骨角器、採集や狩猟、装身具、彫刻(女性裸像)
  ・
クロマニョン人(ヨーロッパ)
  ・
周口店上洞人(中国周口店)
  ・洞穴美術(
スペインのアルタミラフランスのラスコー

 現在のところ最古の人類と認められるのは、今から約400万年前に、南アフリカに現れたアウストラロピテクス(南の猿人という意味です)などの猿人からで、彼らは単純な打製石器(礫石器)を使用していました。1987年にハワイ大学のR・キャンは人間の細胞にあるミトコンドリアの遺伝子が母系のみ遺伝する事に着目して、人類の祖先を調べた結果、20万年前にアフリカにいた一人の女性(彼女をミトコンドリア・イブと言います)に行き着くことがわかり、この調査からも人類の起源はアフリカであるという説を裏付けられました。
 約50万年前になると、ジャワ原人北京原人ハイデルベルク人などの原人が出現し、握斧(ハンド=アックス)などの打製石器をつくり採集や狩猟をおこない、河岸や洞穴に住んでいたとみられています。また、北京原人はを使用し、ことばも話したようです。約20万年前にはヨーロッパで発見されたネアンデルタール人などの旧人があらわれ、死者に周りから大量の花の花粉は見つかったことから、死者を埋葬し、花を供えるなどの宗教的行為をおこなっていたと思われます。
 更新世の末期にあたる約4万前になると、現在の我々の祖先とされる新人(現生人類)があらわれました。ヨーロッパのクロマニョン人や中国の周口店上洞人(北京原人の発掘された洞窟の上方にある別の洞窟で発掘されたので上洞人と言われるようになりました)などがこれにあたります。新人は石器のほかに、骨や角を材料とした槍・銛・釣針・針などの骨角器もさかんに使用し、採集や狩猟・漁労の生活を送っていました。また、彼らは装身具を着用し、また女性裸像や動物像の彫刻、刻線や彩色によって動物などをえがいた洞穴美術がうまれて、スペインアルタミラフランスラスコー正誤問題でよく問われます。国名と遺跡名をセットで覚えよう!!などに残っています。

(4)農業生産革命
 a.
沖積世(約1万年前)
  ・気候:
氷河期→温暖
  ・自然環境の激変:
マンモスなどが絶滅
 b.農耕の開始=
農業生産革命
  ・採集・狩猟生活→
農耕・牧畜生活
  ・道具の変化
   打製石器→
磨製石器(新石器時代)
   土器、巨石記念物、竪穴式住居
  ・社会の変化
   農耕・牧畜生活→生活安定→人口増加→農村、村落
   
交易(文化の伝播)、身分制

 約1万年前に更新世がおわり、沖積世に入ると、気候はしだいに温暖となり、氷河は後退して、マンモスなどが絶滅するなど自然環境が激変し、人類もこの変化に対応しながら生活様式が変化して、前7000年頃にそれまでの採集・狩猟生活から、羊・豚・牛などの野生動物や、麦・豆などの野生植物を主要な食料とする農耕・牧畜生活が開始され、この変化を農業生産革命と言います。農耕といっても雨水にたよる乾地農法であり、肥料を使用しない略奪農法です。道具も打製石器から磨製石器を使用するようになり、また土器もつくられ、この磨製石器を使用する時代を新石器時代と呼びます。イギリスのストーン=サークル(実は20世紀初めに観光目的で崩れた石をかってに今の形においたという話もあるのですが・・・)やフランスのメンヒルなどの巨石記念物もこの時代に作られました。このことの生活の様子は農耕・牧畜生活を送っていたので、竪穴式住居に住み、また生活が安定し、人口が増加てし、今までの家族や一族と言う単位からやがて農村や集落を形成し、イラク東北部のジャルモや東地中海沿岸のイェリコ←ジャルモとイェリコは正誤問題でよく問われます。地図で場所を確認し、地域と遺跡名をセットでしっかり覚えよう!!などが遺跡がそれにあたります。農村や村落では仕事が分業され、遠隔の地方と交易がおこなわれ、これにより文化の伝播があったとされています。また、私有や権利といった観念も発達するにつれて、支配者などの身分も形成されていきました。

(5)文明の形成前3500年)
 a.
潅漑農業→強力な政治支配者出現→都市国家や国に発展
   →文明の形成(四大文明)
 b.石器時代→
青銅器時代

 前3500年からオリエントの大河のほとりで乾地農法から潅漑農業がはじまると、用水の管理する強力な政治支配者が出現し、村落は都市国家にまで発展していった。簡単な銅・青銅製品も使用され、石器時代から青銅器時代に移っていって、やがてナイル川、ティグリス・ユーフラテス両河、インダス川、黄河の流域で文明が発生していきます。

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